慶応義塾大学 理工学部 電子工学科

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対談 企業と大学 2013 情報通信最前線の研究者と日本の研究教育環境の向上を語る

澤田宏氏 日本電信電話株式会社 NTTサービスエボリューション研究所 主幹研究員 x 湯川正裕 慶應義塾大学理工学部 電子工学科 専任講師 採用する立場の側からいっても,ちゃんと活躍してくれた人にもうちょっと長く居てもらって研究してもらいたいというものあります.

企業がインターンシップを受け入れる訳

湯川 : この間モロッコに学会で行ったのですが, NTT研究所からいらした方にもお会いしました.NTTの研究者の方は国際会議にも多く出ていますが,学会に参加するのは情報収集ですか?

澤田 : まあ情報収集も当然ありますが,研究成果のアピールの方が大きいと思いますね.決してお金儲けに直結するものだけではなくて,大学でされているような研究と同じような研究も沢山やっています.まあ当然最終的には事業につなげたいというのはあるのですが,しっかりとした研究を行わないと,研究活動自体の存在価値がなくなるというのは,それはもう大学の先生などは重々承知の事だと思います.あと,やはり期待として大きいのは学生さんにアピールして,いい人に入社して欲しいというのがあります.

湯川 : 学生へのアピールとしては,本当に効果がありますよね.うちの学生はその辺で少し刺激を受けてNMF(Nonnegative Matrix Factorization)の研究等を行っています.
大学とのつながりをもう少し具体的に教えていただけますか.共同研究みたいな感じですか?

澤田 : そうですね,共同研究がまずあります.あとはインターンとして学生さんに来て頂いて,企業の中で仕事を手伝ってもらうのもあります.学生さんの方もそれによって会社で何をやっているのかわかります.共同研究とインターンが大きな柱と思っています.

インターンも,基礎研究になればなるほど積極的に受け入れていて,一番簡単なのは夏休みとか春休みの4週間程度ですが,もう少し長い3か月程度のインターンや,半年や一年にわたって来ている人もいます.国内だけの話をしましたけど,海外からもインターンに来てもらっています. MITやスタンフォード等の著名な大学からも来ています. 大学とのつながりで,先ほど言うのを忘れたのですけれども,連携講座や非常勤講師という形で,NTTの研究者が大学に講義に行くのもあります.

湯川 : どちらかと言うと,教えに行くというのがメインですか.

澤田 : そうですね.企業でそれなりに長い間研究してきて,まとまった形で皆さんに発表できるようなものは,非常勤講師の形で行ったりしています.あと,連携講座というものもあります.実際私も3人ぐらい連携講座で学生を持っていまして,学生への指導とかもしています.

澤田氏と湯川専任講師

企業にとっての学生の力

湯川 : 研究指導までされているのですね.どちらで?

澤田 : 今は奈良先端科学技術大学院大学の連携講座を持っています.

湯川 : 鹿野清宏先生がいらっしゃったところですね?

澤田 : そうですね,鹿野研とも多少かぶるのですが,我々の連携講座は,自然言語処理を研究されている松本裕治先生のところを基幹講座としています.なので,学生は普段は松本研のゼミに参加していて,本格的な修士や博士の研究に関わってくると,NTT研究所の方に足を運んで,我々と研究を進めていきます.

湯川 : 連携講座はNTTにとって,どのくらいメリットがあるのですか?

澤田 : メリットは2つあると思っています.そもそも研究の戦力として学生さんが非常に期待できて頼りになります.あとは,採用する立場の側からいっても,そういった風にちゃんと活躍してくれた人にもうちょっと長く居てもらって研究してもらいたいというものあります.

(司会) 企業の研究にとっても,学生もちゃんと戦力になるということですね.

澤田 : そうですね.それはなると思います.

湯川 : 大学教員だけから指導されるよりも,気持ち的にも学生は企業の方に来ていただいて指導頂くとすごい刺激になって,そういう意味でも良いのかと思います.

澤田 : そうですね.受け入れて思うのは,学生さんは皆さん意識が高いですね.情報・電気電子はマジョリティだと思うのですが,ほかにも物理,数学やシステム工学系の人も多いです.

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