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Education

カリキュラム

    レーザーフォトニクス

    光学基礎から応用まで徹底的に学ぶ

    光技術の進展は記憶メディアやインターネットの高速化に革新をもたらしました.光の波としての性質と粒子としての性質を,それぞれ,電磁気学と量子力学を柱とするカリキュラムで学びます.加えて,デバイス,ネットワークやナノテクノロジー関連の科目をレーザ・フォトニクスに不可欠な周辺技術として学びます. これらの知識を学ぶことで,超高速なインターネット技術,省エネルギー信号処理,革新的なディスプレー技術,大容量な光記憶素子,医療におけるレーザ応用,等において変革をもたらすために必要な学力が身に付きます.

    レーザーフォトニクスで未来を拓く
    Curriculum

    レーザーフォトニクスの推奨科目 【2年】

    電磁気学高校,大学1年(物理学C,D)で学んだ電磁気学をより発展させる.静電界,静磁界の解き方を多角的に考えて理解する.磁界と運動の相互作用を新しい視点で理解する.電磁波の基礎理論を理解する.
    複素解析複素解析の基本から発展的な内容までを学習し,工学とのつながりを理解することを目標とする.特に,複素解析は信号処理や情報通信を含む広範な分野で利用されるフーリエ変換などを学ぶ際の基礎となる.
    応用数学理工学における現象の解明や工学機器の設計などへの応用を目的とした数学が応用数学です.この講義では,データ解析において必要とされるフーリエ解析を中心に,フーリエ解析とラプラス変換について解説を行います.
    光学基礎光技術は現在最も急速に発展している技術の一分野です.光ファイバー,DVDなどレーザを応用した多くの機器やディスプレイ,カメラ,センサーが身近に使われています.光の波としての性質と代表的な応用例について講義します.今の機械,電機,精密メーカーで必要な内容です.
    電気回路理論春学期の電気回路基礎に続く科目であり,電気・電子系に必要とされる回路に関するより高度な内容について講義する.
    光デバイス工学1960年に発明されたレーザの登場をきっかけに「光技術」は飛躍的な進歩をとげ,光は単なる照明ではなく,私たちの暮らしのいたるところで機能的な役割を演じています.今や,エレクトロニクス技術は光技術なしには成り立ちません.「光技術」は高度情報化社会を支えるために欠かせない要素技術であるだけでなく,環境に優しい省エネ社会を創設し,さらに新たなサイエンスをも開拓し続けています.本講義は,「光技術」の入門編として,我々の身の回りの機器に組み込まれている「光技術」「光装置」の原理を平易に解説し,技術開発の歴史を紹介しながら,どういった学問の集約が必要であるかを理解してもらいます.同時に,「光技術」は常に最先端を走っている分野であり,今取り組まれている課題は何で,その先にはどういう素晴らしい応用が期待できるかを紹介します.問題を解くといった学問の道具を学ぶ講義ではありません.また,決して解説を聞いて原理を暗記することを要求するものではありません.これまでに習った電磁気学,電気回路,幾何光学等の応用が随所に表れてくるので,そういった基盤学問がいかに応用されているかを理解できるような演習問題には取り組んでもらいます.

    レーザーフォトニクスの推奨科目 【3年】

    量子工学古典力学は観察と経験法則に支えられた巨視的物理学であるために比較的容易に実感できる学問であるのに比べると,量子力学の世界は日常の経験からだけでは理解が容易ではない.その結果,工学的技術・デバイスを修得することを目的とした工学系の学生に対して,本格的な量子力学の教科書を用いての講義は,その工学的応用が明確に記述されていないために,学問と実際のデバイス技術とのギャップを埋められず,逆に理解に対する意欲を損なう結果となりがちである.一方で,フォトン,フォノン,エネルギー準位,遷移確率などの量子論的概念を用いたモデルによって,思考し,議論することは,電子工学においては不可欠な項目であり,しっかりとした基礎学力なくしては,仮に特定のデバイス技術を経験的に解析(アナリシス)することはできたとしても,新しいデバイスの概念を生み出す(シンセシス)ことは不可能である.本科目の目的は,工学的技術・デバイスに応用されている「量子力学」の世界を観ることができる内容にスポットを当て,21世紀にエレクトロニクスの中枢をなすであろう,量子エレクトロニクス,量子効果デバイスの基礎としての量子力学の重要性を理解してもらうことである.本科目は,毎週次のような構成で行なう.まず,量子力学の世界を比較的容易に実感できる工学的トピックスを科学概説雑誌程度のレベルで,極力数式を用いずに紹介する.次に,その現象あるいはデバイスをサポートしている量子力学の関連項目の講義を行なう.講義内容は,2年次の「量子力学基礎」の復習も混ぜながら行なう.ここでも,なるべく数式の展開に要する時間は最低限に留め,詳細は配布プリントあるいは「量子力学」参考図書に譲る形式とする.ただし,基本的な演算手法を学ぶ目的で,講義に関連した演習問題を2問程度宿題として解いてもらう. 講義に続けて2時間目に演習時間を設けるが,出席は希望者のみとする.主として,宿題を解説を加えながら解いていく時間で,講義の質問などにも時間をかけて対応する.
    光・量子エレクトロニクスコヒーレントな光であるレーザは,微細加工,バイオ,医療,光通信,情報処理,計測など広範かつ重要な分野に貢献している.レーザなしでは,最先端科学技術,極限計測技術は語れないと言っても過言ではない.本科目では,光学の基礎知識から始め,光と原子・物質との相互作用について学ぶ.レーザの原理とその制御技術について解説する. 以上の内容を中心としつつ,時間の許す範囲でレーザおよびその応用に関する最先端の研究事例を紹介し,講義により習得する光学の基礎と物理的解釈がどのように最先端技術に結びついているかを概説する.特に,レーザを用いてものをつくる技術,バイオおよび医療への光の応用,光の特長を利用した新しいデバイス,等について紹介する. 授業は,電磁気学の基礎,量子力学の基礎を習得していることが望ましいが,本科目と並行して学びなおすことも可能である.
    フォトニクスフォトニクスという言葉は,1960年代から70年代に,光ファイバ技術と量子力学に基づいた半導体レーザ技術が急激に発展するとともに,フォトンと半導体エレクトロニクスを融合させた技術を発展させようという発想から生まれた. これまでもフォトニクスは光通信システム発展の中核を担ってきたが,今後も光インターコネクト,光集積回路,光量子情報処理など次世代の通信・情報処理の中枢技術の発展には欠かせない.そういった意味で,フォトニクスは比較的古い電磁気学を出発点としているにも関わらず,その工学的応用と価値は現在も刻々と変化している進行形で記述される学問でもある. フォトニクスの基礎は電磁気学であるので,本講義ではマクスウェルの方程式から始め,初めに光の基本的な振る舞いについて学ぶ.次に現在の光通信の基礎をなしている光ファイバや人工的な導波路中での光の伝搬について学ぶ.その際には,ナノテクノロジーの進歩によって実現可能となったナノ構造中での光の伝搬などの最先端研究トピックも紹介する.最後に,フォトニクスのもう一つの柱である光と半導体デバイスの物理について,半導体レーザを中心として学ぶ. 講義は,電磁気学や半導体物性等の物理を,工学的トピックを織り交ぜることでなるべく直感的に納得できるように進める.しかし本当の意味で理解を促進させるためには,自分自身で手を動かすことも必要なので,直感的な解釈をサポートする数式の展開等はレポートで確認するという形式を取る.

    レーザーフォトニクスの推奨科目 【4年】

    電気電子工学特別講義電気電子工学の各分野の最近のトピックについて,内外から講師を招き,技術動向などを講義する.