慶応義塾大学 理工学部 電子工学科

電子工学科学年主任 岡田英史

独創性と強い信念,
広い知識と経験に裏打ちされた
勇気をもつ人材の輩出を目指して

電子工学科 学科主任
斎木 敏治

 日本の経済が今後も成長を続けるためには,生産性を一層向上し,新しい市場を世界的に開拓,創出していくことが必要であると叫ばれています.恐らくここに異論を差し挟む余地はないでしょう.成長市場の開拓,創出の鍵を握るのは電子工学です.国内の電気・光学機器メーカーが従来の主力製品だけに頼らず,各社,驚くような方向に思いきって舵を切れるのは,電気電子工学技術がその基盤にあるからです.ただし,世界的に技術の均質化が進むにつれ,他国も同様の戦略に出ますから,当然,スピード勝負の過酷な競争が待ち受けています。この競争が消耗戦と化し,疲弊した世の中になることは誰も望まないでしょう.単に潜在的な需要を掘り起こす意味での市場創出ではなく,何が本当に人間を幸せにするのかをよく考えた上で新しい価値を生み出すことが,健全な競争を促し,共存共栄につながる道だと考えます.独創性と強い信念,そして広い知識と経験に裏打ちされた勇気をもつ人間がそれを可能にします.わたしたちはそのような人材を輩出することを目指します.

 電子工学科の学部教育ではまず,幅広い知識の習得のために「ハード」と「ソフト」のバランスを重視しています.カリキュラムも物理,材料,デバイス,情報,システムを満遍なくカバーし,原理,設計,実装,応用の一連の過程を見渡せる教育を実施しています.電子工学の広い知識を身に付けた後は,それを活用しながら,自分の専門性も磨きます.4年生の卒業論文研究,さらに大学院修士課程では,一連の研究過程を通して研究,開発とは何かを学び,その価値を考え,伝えるトレーニングをします.そして博士課程では独創的な研究に没頭し,その成果を世に問い,揺るぎない経験に支えられたプライドをもって巣立ってもらいます.社会に出てからはこの経験が活かされ,自分自身の戦い方を自分の頭で考え,決断できる人間になります.みながリーダーを目指す必要はありません.世の中を動かすプロジェクトには,優れたブレイン,プレーヤー,そしてサポーターも必要です.自分の独創性を信じ,強い信念のもとで実行に移す勇気を持った人たちが集まり,それぞれの役割を果たせば,人々を幸せにする何かを生み出せるはずです.電子工学科がそのような形で世の中に貢献できることを強く期待しています.

About Research

21世紀のエレクトロニクスは私たちの生活を急速に豊かにしてくれました.例えば身の回りの家電や情報機器には最先端のエレクトロニクス技術が詰まっています.トランジスタの発明に始まり,レーザ,VLSI,光ファイバ,デジタル信号処理技術など,社会の変革をもたらしてきた科学技術の主役は常にエレクトロニクスです.

一方,21世紀においては豊かさという価値観が多様になり,より盤石な技術基盤が必要になると考えられています.
安全・安心,環境との調和,充実した医療・福祉などに支えられた明るい未来をもたらすのは,革新的なエレクトロニクス技術です.遠からず実現する原子・分子レベルで制御されたLSIをはじめ,高速な光技術と融合した光集積回路,究極ともいえるナノ量子デバイスなどを見据え,同時にそういったデバイスを活用し,適応・進化させる情報処理・通信システムを築き上げていくことが必要となります.

技術革新によるイノベーションの創造

電子工学科では,「LSI・情報・通信システム」「半導体物性・デバイス・プロセス」「フォトニクス・レーザ技術」を研究の 3本柱として掲げ,専門領域の研究を極めると同時に,互いに連携し合い,新しい研究領域の開拓を進めています.

研究領域

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