中山牧水
Bokusui NAKAYAMA | なかやま ぼくすい
| 研究キーワード: | 生体分子 / 応答性ポリマー / 群知能 / 相変化材料 / アクティブマター |
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- 教員プロフィール
- 役職 : 助教(有期)
- 居室 : 24-210
- 電話 : 045-566-1816 (内線: 47229)
- email :
- 研究室 URL : http://keio-saiki-lab.com/
[ 担当講義課目 ] 電気情報工学実験第1(3年) / 電気情報工学セミナーⅠ(2年)
[ 研究の概要 ]
研究タイトル:応答性材料を用いたナノ・マイクロスケール粒子の自律運動・自己組織化の理解と制御
非平衡条件下で自律的に動き回る微小な粒子(マイクロスイマー)の運動と集団秩序形成の機構を、物理実験・数値シミュレーション・理論モデルの三つのアプローチから研究しています.特に,粒子が自らの周囲の環境を変化させ,その変化がフィードバックとして運動に影響を与える「運動-環境連動システム」に注目しています.また,光や電場などの外部刺激によってコロイド粒子や金属ナノ粒子を精密に操作・制御する研究も展開しており,アクティブな集団運動の解明から,パッシブな粒子の自己組織化や応用まで,幅広い視点でナノ・マイクロスケールの物理を探求しています.
研究の背景
ミクロスケールでの情報・エネルギー・物質の操作技術は、次世代のフォトニックデバイス,マイクロマシン,コンピューターなど,多岐にわたる応用が期待されています.本研究室では,「ミクロな粒子と環境の相互作用をいかに設計・制御するか」を核とし,相変化材料(GST)や温度応答性高分子などの「機能性材料」と,レーザーや電場といった「外部制御」を組み合わせた新しいナノ・マイクロスケール粒子ダイナミクスの理解と制御手法の開発に取り組んでいます.
研究の特徴
個体運動:粘性の非対称性による熱ゆらぎの整流
熱ゆらぎに支配されるミクロな世界において,一方向への持続的な移動を実現する新しい自己推進機構「自己粘度泳動(Self-Viscophoresis)」を発見しました.ヤヌス粒子周囲にレーザー照射で局所的な粘度勾配を自ら生成させることで,熱ゆらぎの緩和に偏りを生じさせ,推進へと変換します.レーザー強度により運動の向きや次元を可逆的に制御できる,ソフトマター物理の新たな設計原理です.
集団運動:場への記憶書き込みによるフェロモン的相互作用
生物が痕跡(フェロモン)を介して集団秩序を制御する仕組みを、物理系で再現しました.相変化材料基板上を移動する粒子が、レーザー照射によって基板の状態を局所的に変化させ,それが電場集中を介して他の粒子を誘引する「フェロモン的引力」として機能します.周波数制御により,「コロニー形成」から「整列した線状集団運動」まで,多様な集団秩序を動的に生成・制御することに成功しました.痕跡の消去や相変化による粒子自体の状態制御も検証中であり、環境と運動主体の状態が同時に変化する,再構成可能な群知能システムを構築しています.
パッシブ系:外部場による精密操作と光学機能化
光や電場などの外部刺激を用いたコロイド粒子の高効率な集積・機能化技術を展開しています.
高速自己組織化: 相変化材料の熱的特性を利用した強い対流により,多様な格子構造を持つ二次元コロイド結晶をオンデマンドかつ高速に形成・解体する手法を確立しました.
ナノ光学制御: 金ナノ粒子と応答性ハイドロゲルを組み合わせ,粒子-基板間の距離をナノメートル精度で操作することで,一粒子レベルでの可逆的な発色制御を実現しました.次世代の低消費電力ディスプレイや高感度センサへの応用を目指しています.