2020年誕生 電気情報工学科とは
ソフトとハードを融合した世界を目指して
時代を牽引する新しい技術を生み出し続ける学科として
電気情報工学科 学科主任
田邉 孝純 教授
電気情報工学科では,これまで個別に発展してきた「ハード」と「ソフト」を統合し,新しい価値を創造します.教育と研究の両方において,物理,材料,デバイス,システムからソフトウェアまでを網羅します.
皆さんが普段から利用している,スマートフォンも電気自動車も,ハードウェアだけでは動きません.しかし,ソフトウェアだけを分離しても何の役にも立ちません.これまでの科学技術では,ハードウェアとソフトウェアは個別に発達してきましたが,現在の革新的な製品やサービスでは,その二つの境界は曖昧となり,それぞれ分離することはできなくなっています.つまり,今後は,ハードウェアとソフトウェアは一体として研究する必要があります.
この科学技術の新しい流れに対応するために,電気情報工学科の学生は,ハードからソフトまで網羅した広範な知識の習得をし,4年生の卒業研究を通じて専門性を深めます.電気情報工学科を卒業する学生は,エレクトロニクス,フォトニクス,インフォマティクスの分野に深い知見を有しつつ,ハードからソフトまでの広範囲な知識を同時に持つことになり,ハードとソフトを組み合わせた革新的な製品やサービスを生むことができる,次世代人財となるでしょう.
私達は明るい学科の雰囲気作りを重要視しています.大学2年生になると,各学生にはアドバイザリープロフェッサーが付くので,学習上のきめ細やかな相談ができます.また,研究活動を体験できる選択授業を準備しており,座学がどのように最先端の研究へとつながっていくかを,早くに体験することもできます..
教員の約6割が企業での経験を持つ当学科では,社会のニーズを的確に把握しつつ,次代で必要とされる本質的な学問を学ぶ場を提供し,革新的な技術を持続的に研究開発するために,教育内容や研究分野を常に更新し,革新を続けます.
About Research
21世紀のエレクトロニクスは私たちの生活を急速に豊かにしてくれました.例えば身の回りの家電や情報機器には最先端のエレクトロニクス技術が詰まっています.トランジスタの発明に始まり,レーザ,VLSI,光ファイバ,デジタル信号処理技術など,社会の変革をもたらしてきた科学技術の主役は常にエレクトロニクスです.
一方,21世紀においては豊かさという価値観が多様になり,より盤石な技術基盤が必要になると考えられています.
安全・安心,環境との調和,充実した医療・福祉などに支えられた明るい未来をもたらすのは,革新的なエレクトロニクス技術です.遠からず実現する原子・分子レベルで制御されたLSIをはじめ,高速な光技術と融合した光集積回路,究極ともいえるナノ量子デバイスなどを見据え,同時にそういったデバイスを活用し,適応・進化させる情報処理・通信システムを築き上げていくことが必要となります.
電子工学科では,「LSI・情報・通信システム」「半導体物性・デバイス・プロセス」「フォトニクス・レーザ技術」を研究の 3本柱として掲げ,専門領域の研究を極めると同時に,互いに連携し合い,新しい研究領域の開拓を進めています.