しっかりとした技術のバックボーンを持って,技術を語れる人材が

今の日本で必要とされています.

川崎市役所

対談「産官と学」   2013年10月 川崎市役所

2013年 ― 行政の視点からみた,研究が果たすべき社会問題解決の役割と求められる人材を語る ―

鈴木 毅 氏
久保 亮吾 氏

(司会)
本日は慶應義塾リーディング大学院プログラムにおいてメンターをお願いしておりました鈴木さんにお話を伺いたいと思います.
スマートシティや川崎の臨海部の活性化に携わっているということで,スマートグリッドやグリーンエレクトロニクスが専門の久保専任講師とご対談いただけることになりまして,感謝申し上げます.
また,行政の立場から様々な電機メーカと接していらっしゃると思いますので,電気電子産業のこれから,といったようなお話もお聞かせいただけましたら幸いです.それでは,鈴木さん,久保さん,よろしくお願いいたします.

学生時代に培ったヒューマンネットワーク を生かし、川崎市の未来を考える

久保 :まず自己紹介ですが,私はロボットや,モーターの制御を学生時代に研究していまして,そのあとには通信ネットワークの研究をしていました.それで今はセンサやジェネレータ等をネットワーク化して,どのように制御していくかという研究を行っており,スマートコミニティとかスマートグリッドと呼ばれる分野に近い研究を行っています.
鈴木さんのご経歴についてお聞かせいただけますか?

鈴木 : 私は,現在はスマートシティや川崎臨海部の開発に関連する戦略等を仕事としていますが,それだけに特化したキャリアというわけではなく,市役所の一般的な管理を色々と行ってきました.ここ10年ほどは,これから川崎が特に重点的に取り組む政策等の,川崎市の企画に関する仕事をしています.

久保 : 都市計画ですか?

鈴木 : 都市経営ということでしょうか。広い意味での地域の課題解決に取り組んでいます.川崎というモデル・ポテンシャル・パワーで,何ができるか,そして何を行うべきか,ということを色々考えたりしています.

久保 : 学生時代には何を専門とされていましたか?

鈴木 : 学生時代の専門はね...サークル活動ぐらいですかね(笑).私は慶應義塾大学商学部にて会計学を学んでおりましたので,そのような意味では,数値に対しての苦手意識は低かったと思います.例えば,金銭価値的に物のパフォーマンスを見るというのは,意識していました.
また,学生時代に培ったヒューマンネットワークはやはり重要です.今でも年に数回,大学時代の友人と,オンでもオフでも(仕事でもプライベートでも)会っています.産業界に行っている人もいますし,フリーランスで弁護士をやっている人もいます.そうすると,客観的な声を聴くことができ,川崎にはこういった課題があるといった話や,(川崎市の取り組みに対して)「我々の業界ではそういう話になっているよ」といったような話や,取り組みに対するフィードバックを受け取ることができ,ああそういう風にとられているとわかります.そういう意味で大学時代の友人はこの年になっても重要だと思います.卒業して既に30年経ちますが,そのような人とのつながりは,物凄く有難い.

久保 :いろいろな専門の,学部もいろいろバラバラな人が集まって,いろいろ議論ができるというのがあるというのは非常に素晴らしいですね.

鈴木 : はい,最近では,水素エネルギー関連でパートナーとして仕事をしている企業に勤めている人が実は同窓生だったということもあります.そうすると企業側としてのざっくばらんとした話も聞けたりして,やはり大学時代からのつながりはすごく有難いですね.

対談 産官と学 川崎市 

 

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鈴木毅氏鈴木毅氏 略歴:(2013年現在)
1982年慶應義塾大学商学部卒業.同年川崎市役所入庁.
以来、情報システム部門で行政サービス電子化や地域情報化,財政部門で自治体財務事務に従事.その後、企画部門に移り総合計画の策定・推進や施策の企画調整を担当し,総合企画局企画調整課長,自治政策部長,都市経営部長を経て,現職は総合企画局担当理事臨海部国際戦略室長・スマートシティ戦略室長兼務.