キヤノン株式会社

対談「産官と学」2013年10月 キヤノン株式会社本社

もしも大学時代に戻れるとすればやはり英語を勉強します.(塩崎)
語学を学ぶモチベーションをいかに早く得られるかという点が重要ですね.(野田)

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大学2年ぐらいの授業で得た知識が会社で役に立つ -重要なのは基礎学力-

野田 : それから,大学在学中に身に付けて欲しいスキルは,沢山あると思うのですが,あえて一つ挙げるとしたら何ですか.

塩崎 : そうですね...基礎学力ですかね,数学ができるとか.単純ですけどそういった力が実は重要なのではないかと思います.

野田 : つまり,論理的に物を考えられるような力が求められているということですね.

塩崎 : そうです,そうです.論理的に考える力は重要だと思います.

野田 : 研究室に入ってから身に付けた知識と,大学1年生から3年生の間に身に付けた知識をあえて比較すると,塩崎さんの場合はどちらの方が会社で役に立っていますか.

塩崎 : 私の仕事では,大学2年生位の授業で得た知識がメインとなります.大学2年の時に学んだ,電気回路理論,アナログデジタル回路や簡単な制御理論が仕事で必要になります.正直,3年生や4年生の授業の内容は,高度過ぎてまだ製品になれるかどうか(笑). また,これまではあまり意識していなかったのですが,統計学もよく使います.大学の時はあまり好きではなくて,軽視していたのですが.量産製品を扱っていますので,量産ばらつきがどうかというのも,設計の時に考えなくてはいけません.統計学の知識が,非常に大事だと気が付き,会社に入ってから勉強しなおしました.

野田 : 最近ビッグデータを扱うために統計学が非常に注目されているのですよね.

塩崎 : 私が製品開発だからというのもありますが,量産製品には必要になってくると思います.

野田 : なるほど.

塩崎智行氏

日本もアジアの国々と積極的に関わる時代 -英語は一生懸命勉強するべし-

塩崎 : あとは,もし大学時代に戻れるとすれば,やはり英語を勉強します.部品は日本メーカーだけではなく海外メーカーのものも多く使うので,打ち合わせの際に必要になります.

野田 : 主にどのような地域に行かれますか?

塩崎 : 私は製品開発なので,工場現地の部品を使うことが多く,例えば弊社の生産拠点ですと台湾等に行くことも多いです.

野田 : アジアでも共通言語は英語ですから,英語は勉強しないといけないというのは痛感しますね.これからはアジアに仕事に行けるような人材が必要とされていますよね.アジアの国々はこれから伸びていこうという気運も感じますし,5年ぐらい先は,日本もアジアの国々と積極的に関わっていかないといけないと思いますね.実は私も,先週インドに行きましたが,風邪をひいてしまいました(笑).

塩崎 : そういう意味ではタフな人材が求められているのかもしれませんね.私も学生の時に,英語を勉強しなさいと言われていました.やはり,社会に出ると,当時もっと一生懸命勉強すればよかったと思いますね.

野田 : でも語学は,後からでも経験さえすれば学べるものですので,要はその語学を学ぶモチベーションをいかに早く得られるかという点が重要ですね.

塩崎 : そうですね.

野田 : だから早いうちに,仕事でも色々な場面で必要になるというのが,伝わればきっと学生のためになると思います.[:]

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