日産自動車株式会社

対談「産官と学」2013年10月 日産自動車座間事業所

今,自動車業界で話題になることで、電気電子と関係ないものはほとんどありません.(佐藤)
つまり電気電子分野は土台であると同時に,最先端でもあると.(寺川)

電気自動車の比率の高まり -電子電気出身者の活躍の場は広い!-

寺川 : いま,電気電子出身の方は何名ぐらい,いらっしゃいますか.最近では,電気自動車はもちろん,自動運転システム,パワー半導体,等,電気電子が関係してくる分野は増える傾向にあるかと思いますが,社内の人数はどうでしょうか.

対談 産官と学 日産自動車株式会社

佐藤 : 我々の部署では電気自動車の中でもインバータやモータを扱っていることもあり,半分位は電子系です.もちろん電子分野だけで,成り立っているのではないので,機械系の人もいれば,化学系の人もいます.
人数に関しては,変動はあります.電気自動車を会社の重点課題として設定した当初は,電子系の出身者は明らかに足りませんでした.新卒だけでなく中途採用も含めて人を増やした時期があります.全社的に見ても,電子だけでなくバッテリーに関連する化学系の人も増やして,電気自動車分野に相当偏らせて採用しました.

寺川 : いろいろな分野の方がいる中で,電気電子出身者の強みは何でしょうか?

佐藤 : 今,自動車で電気電子を使ってないシステムというのはありません.電気電子抜きにして車は走りませんので,どのようなシステムを考えるときでも,電気電子は関係します.そのような意味では,電子出身の人はどの分野にも可能性があると言えます.つまり,活躍の場が広いということです.電気自動車の比率も高まりますので,最先端の技術領域に関わることができると思います.

寺川 : 今後の自動車業界と電子の関わりについては,どのようにお考えですか?

佐藤 : 電気自動車やハイブリッド自動車が出てきたので,電子の比率は確実に高まってきています.そういう意味では,花形になりつつあると言えます.最近,話題になっている自動運転もそうです.今,自動車業界で話題になることで電気電子と関係ないものは,ほとんどありません.

寺川 : つまり,電気電子分野は土台であると同時に,最先端でもあると.

佐藤 : そうですね.電気電子分野は車の魅力の大きな部分を占めるようになるのではないかと思います.車の中を開けてみたら部品点数は機械以上で,さらに電子回路の素子なので,密度がすごいことになるのかなと思います.

寺川 : 自動車のボンネットの面積は,銀座の土地よりも貴重なスペースだという例え話を聞いたことがあります.

対談 産官と学 日産自動車株式会社