日本電信電話株式会社

対談「産官と学」2013年10月  NTT 横須賀研究開発センター

いろいろな応用分野があるのでぜひとも転身して欲しいですね.

学生へのメッセージ

湯川 : 採用に関わるお仕事をされていたということですが,そのご経験を踏まえた上で,電気電子を学んだ学生対象に何かメッセージを頂けるとありがたいのですが.

澤田 : やはり,世の中非常に高度化していて,多くのことがブラックボックス化されていると思いますが,細かいところまできちんと勉強して理解しているというのが,電子工学科の良いところだと思います.
情報や通信は,ここ15,20年位で凄まじい進展があり,アメリカではそれによって大金持ちになったベンチャーや,大きくなった会社などが沢山あります.日本でも,携帯ゲームの会社は割と同じように成長していると思います.情報通信でお金儲けした人はたくさんいました.ある意味では世界を変えてきたものだと思います.それで,問題はこれからどうかという所なのですよね.もうだいたい変えられるものは変わってしまったのか,それともまだまだあるのかって所が.

湯川 : 個人的にはとても興味があります.

澤田 : 例えばセンサーをばら撒いて色々なことをする等は,まだこれからかもしれませんね.

湯川 : そうですね.

澤田 : ゲノムの解析もしかり,医学の臨床的なところでも,ビッグデータと言われますが,症例をたくさん集めて傾向を見たりすると,最適な治療法が今よりもより精度よくわかる等です.

湯川 : 今の大学1年生が,将来研究に進めば,今わからないこともどんどんわかることになるはずですね...

澤田 : はい,そうですね.そういう意味で,情報通信を含めた電気電子の技術は非常に大事だと思います.まずそこを習得してからの話なのですが,そのあと,今言ったいろいろな応用分野があるので,ぜひとも転身して欲しいですね.情報通信だけを極めるのではなくて,今まで自分が学んだ技術を,社会実験に使ったら何か変わるのではないか等,ちゃんと,色々なことに興味をもって欲しいと思います.

(司会) (司会) 本日は貴重なお時間を割いて,大変面白いお話を頂いて頂きありがとうございます.電子工学科の学生に対するメッセージも多く頂けましたこと感謝いたします.

編集後記
澤田氏と湯川専任講師は,比較的近い分野のご研究をされているとのことで,信号処理の研究や教育の話題で,大いに盛り上がりました.企業の研究者と大学の研究者としての立場の違いはあっても,多くの問題意識を共有されており,今後の日本の研究教育環境の向上に,真剣に取り組んでいらっしゃることが良くわかりました.(田邉孝純)

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